いびきの裏には怖い病気が潜んでいる可能性があります……
本当は怖い隠れた病気
発見が遅れると重篤化するものも・・・
睡眠中に呼吸が止まると、身体はひどい「低酸素状態」になり心臓や脳に大きな負担をかけます。睡眠時無呼吸症候群(SAS)による睡眠中の低酸素状態は、「高血圧」や「高脂血症」「不整脈」「狭心症」「心筋梗塞」「脳卒中」など重大な合併症を引き起こす危険性が高くなります。また、慢性的な睡眠不足や低酸素状態、呼吸が再開するたびに脳が目覚めることがストレスとなり、糖の代謝に関わるホルモン、インスリンの働きが悪くなることから血糖値が上昇し、「糖尿病」にかかりやすくなるとも言われています。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)になりやすい原因の一つが肥満であることです。そのため、睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、太った男性がかかる病気というイメージがあるかもしれませんが、体重は関係ありません。なぜかというと、顔や首周りの形態的特徴が強く関連しているからです。痩せているからといって安心は禁物です。
代表的な病気一覧
中には生命に関わるものも潜んでいます
高血圧 | 無呼吸症候群は、呼吸の停止で体内の酸素濃度が低下・呼吸再開によって酸素量が回復、という状態を繰り返していることになります。交感神経も興奮したままになり、睡眠中の血圧が上昇し、日中も血圧が高いままになってしまっているのです。高血圧は自覚症状に乏しいため、気づくのが遅くなりがちで、悪化すると心筋梗塞や脳梗塞などの重症な病気に繋がる恐れもありますので要注意です。 |
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不整脈 | 無呼吸による低酸素状態により、心臓への負担が大きくなります。無呼吸の時間が長いほど心拍数は低下するといわれており、重症な方ほど不整脈の発生頻度が高くなります。 |
脳卒中 | 無呼吸症候群の方が脳卒中を起こす確率は、健常者の約4倍です。命に関わる深刻な問題であるため、早めの治療が必要になってきます。 |
糖尿病 | 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の原因の多くは肥満であることから、生活習慣病の一つである糖尿病の合併症が多いということが容易に想像できます。慢性的な睡眠不足や低酸素状態、呼吸が再開するたびに脳が目覚めることがストレスとなり、糖の代謝に関わる、インスリンなどの働きが悪くなり、血糖値が上昇するのではないかと考えられています。 |
睡眠時無呼吸症候群を未治療のまま長期間放置した場合、上記のような病気にかかりやすくなると言われています。このように、ただ睡眠時無呼吸症候群(SAS)といっても、さまざまな病気と深く関連し、放置しておくと取り返しのつかないことがあることが分かります。しかし、きちんと治療を受ければ、SASは怖い病気ではなく、多くの方が症状が軽減したり消失したりしています。生命に関わる病気が多いため、早期発見・早期治療を心がけたいものです。